当社への入社を決めた理由は、営業職を「マーケッター」と呼び、売れる仕組みをつくることがマーケッターの役割だと定義する、その考え方に惹かれたから。もともと営業職を志望していましたが、ここでなら営業の本質を学べると思ったんです。また、大企業ではないことも、私にとっては魅力的でした。当社の社員数は約200名。組織の一員であることを実感しながら働ける、アットホームな規模感です。

入社後、関東圏エリアの南関東オフィスに配属され、以来、エリアマーケッターとして、静岡県内のカーディーラーやカー用品店を担当しています。私たちの活動の目的は、大きく言うとふたつあります。第一の目的は、お客様との接点をつくること。例えば、カーディーラーに訪れるお客様は、あくまで自動車を買うために来店しているのであって、アルパインの主力製品であるカーナビや、その他のオプション品の存在は、あまり認識されていません。そこで、私たちマーケッターがディーラー本部と交渉し、試乗車にアルパインのカーナビを搭載してもらうなど、エンドユーザー様に、アルパイン製品を知ってもらうきっかけづくりをします。そして、店舗という最前線において、直接お客様に製品をおすすめできるのが、カーディーラーやカー用品店の販売スタッフです。

販売スタッフにアルパイン製品の価値を理解してもらうことこそが、私たちの第二の目的。販売を強化したい製品についての勉強会を店舗で開催したり、新製品の情報をまとめた資料を配布したり、さまざまなアプローチを行っています。

入社2年目から、あるカーディーラーの本部と全店舗を担当するようになりました。それまでは、先輩が本部を担当し、私は一部の店舗のみを受け持つという形式だったので、今、振り返ってみると、少し甘えがあったと感じます。自分の活動の結果が数字となって表れる、責任あるポジションに不安もありましたが、上司や先輩に背中を押され、とにかく、頭の中にあるアイデアをすべて実行しようと決意。まずは、店舗のスタッフに私の存在を知ってもらうために、手書きの「ありがとうカード」を配って回りました。内容は、アルパイン製品を販売してくれたことへの感謝や、キャンペーンの告知、アルパイン製品のアピールポイントなど。一人ひとりに伝えるメッセージを変えたのも功を奏し、顔と名前は、ずいぶん覚えてもらえたと思います。

このディーラーの担当になってからしばらくして、アルパインの高性能カーナビの販売コンテストが開催されました。この期間は、特に頻繁に全店舗に通っていましたね。効果があったセールストークを店舗でヒアリングし、オフィスに持ち帰って資料としてまとめ、また店舗に足を運んで、スタッフに資料を配布する……その繰り返しでした。残念ながら、目標の販売台数には数台及びませんでしたが、アルパイン製品の販売実績がない店舗やスタッフに、初めてアルパイン製品を販売してもらう良い機会になったと感じています。

最近では、私に気軽に声を掛けてくれるスタッフも増えました。「アルパインのカーナビをお客様が気に入ってくれて、おかげで自動車が売れたよ！」と言ってもらえたときは、本当に嬉しかったです。

コロナ禍において、多くのマーケッターが、それぞれの営業スタイルの変更を余儀なくされています。私の場合、「ありがとうカード」を直接渡せなくなった代わりに、電話でスタッフへの感謝を伝える「ありがとうコール」を始めました。とは言え、「店長が交代してから店舗の雰囲気が変わったな」など、現場に足を運んでこそわかることがあるのも事実。こうした肌感覚と、行動の根拠となるデータ分析を組み合わせ、バランスの良いアプローチがしたいです。

今年度、南関東オフィスに新入社員が2人配属されました。初めて後輩ができて、「この2人を成長させたい」という気持ちが、日に日に強くなっていくのを感じています。先日、開催した勉強会では、多くのスタッフの前で後輩にプレゼンをしてもらいました。普段から心掛けているのは、「褒めて伸ばす」こと。未熟なところがあったとしても、やりがいのある仕事を積極的に任せ、上手くできれば褒め、悩んでいるときには、さりげなくサポートしたいんです。そう思うのは、私自身が、同じように育ててもらったからかもしれません。
上司や先輩はもちろん、たくさんの販売スタッフや、私の拙い提案に真剣に耳を傾けてくれたディーラー本部の方など、お世話になった人たちに恩返しがしたいという想いが、今の私の原動力です。もっと成長して会社に貢献し、より多くの人の役に立ちたいと思います。

そして、これから入社する後輩たちのためにも、身近なところから働きやすい環境づくりを進め、アルパインマーケティングを、さらに良い会社にしていきたいですね。