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運行管理者資格とは?
取得方法から試験内容まで完全ガイド

2025.04.18
車両位置情報管理システム
運行管理者のイメージ

日本の運送業界において、安全かつ効率的な運行を実現するためには、現場で働く運転者だけではなく、それを支える管理者の存在が欠かせません。

中でも「運行管理者」は事業用自動車の運行に関わる幅広い管理業務を担う重要なポジションであり、その職務を遂行するためには、国家資格である「運行管理者資格証」の取得が必要とされています。

 

今回は、この運行管理者資格について、その概要から取得方法、試験内容まで詳しくご紹介いたします。

 

運行管理者とは?詳細を解説

物流や旅客輸送の現場では、安全で円滑な運行を確保するために、運転技術以上の管理能力が求められます。

その中で重要な役割を果たすのが「運行管理者」です。ここでは、運行管理者資格とは何か、概要と企業における位置づけについて解説いたします。

 

運行管理者とは何か?

運行管理者とは、トラックやバス、タクシー等を用いて事業を営む企業において、運転者や車両の管理を通じて安全運行を実現する責任を担う人物のことを指します。

具体的には、以下の業務を行います。

 

  • 運転者が出発・帰庫する際に行う点呼

  • 健康状態の把握

  • 車両の整備状況の確認

  • 交通安全に関する教育や事故防止のための指導

  • 関係法令である道路運送法や労働基準法等の遵守を徹底させるための監督

 

このように、運行管理者は、運転者の安全だけではなく、企業全体の社会的責任や法令遵守を支える「縁の下の力持ち」として、非常に大きな役割を担っています。

 

運行管理者資格の種類と企業での位置づけ

運行管理者資格には、事業内容に応じて2種類が存在します。1つはトラック等の貨物運送事業者を対象とした「貨物部門」、もう1つはバスやタクシー等の旅客運送事業者を対象とした「旅客部門」です。

 

各企業は保有している車両の台数に応じて、一定数の運行管理者を必ず選任する義務があり、そのため、特に規模の大きな運送会社等では複数名の運行管理者が常駐するケースも見られます。

 

運行管理資格の取得方法

 

運行管理者のイメージ

運行管理者資格を取得するためには「受験資格を得る」「試験を受ける」「合格後に申請する」という3つのステップを踏む必要があります。各ステップについて、詳しくご紹介いたします。

 

受験資格の取得

まず、試験を受けるには「受験資格」が必要となります。この受験資格を得るには、大きく分けて2通りあります。

 

  • 実務経験による受験資格の取得

    過去5年以内に通算して1年以上、運行管理の実務経験があることが条件です。

  • 国土交通大臣が認定する講習を受けていること

    実務経験がない場合でも、国土交通大臣が認定する講習実施機関で基礎講習を修了している人は、運行管理者試験の受験資格を取得していると認められます。

 

参考:公益財団法人運行管理者試験センター受験概要

 

試験の申し込みと実施

受験資格を得たら、試験への申し込みを行います。試験は年2回、例年3月と8月に実施されており、申し込みは原則としてインターネットで行います。

受験料は、受験手数料6,000円(非課税)とCBTシステム利用料660円(税込)の合計6,660円です。

 

詳細は、公益財団法人運行管理者試験センターの公式サイトから、最新情報を確認して下さい。

参考:公益財団法人運行管理者試験センター

 

試験内容と合格基準

運行管理者試験は全てCBT(Computer Based Testing)で行われ、問題用紙やマークシート等は使用しません。設問の表示、解答の入力も全てパソコン上で行います。

解答する際には、マウスを使って選択するだけなので、タイピング等の必要はありません。

 

合格基準は、総得点の60%以上を取得し、かつ法令に関する問題でも60%以上の正答率を獲得することが基準とされています。

合格率は30%~40%前後とされており、事前の学習が必要不可欠です。

 

合格後の資格申請と登録

試験に合格すると「運行管理者資格者証」の交付申請を行うことで、正式に資格を取得することができます。

資格は1度取得すれば有効期限はないものの、運行管理者として企業に選任された場合は、その後「一般講習」を2年に1回以上受講する義務があります。これは、知識のアップデートと、安全管理体制の強化を目的としたものです。

 

運行管理者資格の試験内容

運行管理者資格の試験では、単なる法令の知識だけではなく、実際の運行現場で役立つ実務的な能力まで幅広く問われます。

試験範囲は多岐に渡り、確実に合格するためには出題傾向を理解した上で、戦略的に学習を進めることが大切です。ここでは、運行管理者資格の試験内容について、詳しくご紹介いたします。

 

試験の出題分野と問題数

試験は以下の5つの分野から構成され、合計30問が出題されます。

  • 貨物自動車運送事業法関係(貨物)または道路運送法関係(旅客):8問

  • 道路運送車両法関係:4問

  • 道路交通法関係:5問

  • 労働基準法関係:6問

  • その他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識及び能力:7問

 

これらの分野のうち、最初の4つ(1~4)は法令に関する問題で、全体の約77%を占めています。残りの23%が実務に関する問題となっています。

 

合格基準

合格するためには、以下の2つの条件を満たす必要があります。

 

  • 総得点が満点の60%以上であること

    30問中18問以上の正解が必要です。

  • 各分野での最低正答数を満たすこと

    ・法令に関する各分野(分野1~4)では、原則としてそれぞれ正解が1問以上必要です。

    ・実務に関する分野5では、原則として正解が2問以上必要です。

 

試験の特徴と簡単な対策

  • 数字や規則の暗記:試験では「○○の保存期間は何年間か」「○○以内は駐車禁止」といった、具体的な数字に関する問題が頻出します。これらは暗記すれば確実に得点できる項目です。

  • 計算問題:基本的な速さに関する計算問題が1問程度出題されることがありますが、配点は大きくないため、対策に過度な時間をかける必要はないでしょう。

  • 過去問の活用:過去の試験問題を解くことで出題傾向を把握し、効率的な学習が可能です。

 

まとめ

運行管理者資格は、トラックやバス等、事業用自動車の安全運行を管理するために必要な国家資格です。資格取得には実務経験または基礎講習の受講が必要で、年2回の試験に合格する必要があります。

試験では法令や実務知識が問われ、合格率は30%~40%程度ですが、資格取得後は物流・旅客業界での活躍が期待でき、昇進や転職においても有利に働く可能性があります。安全管理のプロフェッショナルとして、キャリアアップを目指せる資格です。

 

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この記事を書いた人

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